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管理ゼロで成果はあがる ~「見直す・なくす・やめる」で組織を変えよう 2019/01/24

倉貫 義人
Amazon 紙の本 1,706円
技術評論社 PDF EPUB 1,580円

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ISBN:
9784297103583
ページ数:
272
カテゴリー:
出版日:
2019/01/24
出版社:
技術評論社

概要 (取得元)

「上司なし・決裁なし」
「経費は承認なく使える」
「休暇は取り放題」
「給与は一律,賞与は山分け,評価制度なし」
「売上目標やノルマはなし」
「働く時間も場所も縛りなし」
「副業OK」
最高に自由に働いて成果を出し続ける会社の実体験に基づくメソッドや考え方を「生産的に働く」「自律的に働く」「独創的に働く」の3つのステップに体系化。
「組織として成果を出すこと」
「個人が楽しく働くこと」
をだれでも両立させる方法がわかる!
①生産的で楽に成果を出せるように仕事の進め方を「見直す」
→ やり方・生産性・タスク・やる気・信頼関係・会議・雑談・社内業務・価値
②自律的に自ら働くようにマネジメントから管理を「なくす」
→ 管理・組織の階層・評価・数字・組織の壁・人の急募・教育・制度・通勤
③独創的な強みを手に入れるために慣習に従うのを「やめる」
→ 既存のビジネスモデル・説得する営業・新規事業・規模の追求・会社らしさ
ホウレンソウより心理的安全をもたらす「ザッソウ」
目標管理面談に代わる「すりあわせ」と「YWT」
1年以上をかけて信頼関係を築いてから採用
部署なし,全員が兼務で助け合う
「部活」から新規事業を生み出す
会社の枠を超えてチームになる「論理社員」
できる範囲でがんばる「ベストエフォート経営」
こんな方におすすめ
チームリーダー
マネージャー
経営者
著者から一言
「しっかりと管理するほど生産性が下がってきたように感じる」
「管理したいわけじゃないけど,生産性の上げ方がわからない」
こんな悩みを抱えたことはありませんか?
私たちソニックガーデンは,2011年に創業したシステム開発をおこなっている企業です。社員数は35名(2018年8月)で,そのほとんどがプログラミングで仕事をするエンジニア集団です。これだけ書くと,どこにでもあるような企業と違いはありませんが,ほかの会社にはない特徴がいくつもあります。
まず,私たちの会社には,本社オフィスがありません。社員の半数以上が地方に住んでおり,在宅勤務で仕事をしています。社員がいる場所は,15都道府県にもまたがります。スノーボードが好きで夫婦で長野に移住した社員もいれば,海外を旅しながら仕事をしている社員もいます。
そんなふうに全員が離れた場所にいますが,気軽に相談しあって助け合ったり,ときには雑談をしたりしながら,チームワークを大事にして働いています。ともすれば個人事業主の集まりのようなイメージをされるかもしれませんが,全員がフルタイムの社員であり,新卒も採用しているし,教育に投資もする,れっきとした会社です。
「でも,オフィスに出社しなくて,いったいどうやって管理しているのか?」
そう思うかもしれませんね。じつは,私たちの会社には管理職が1人もいません。そもそも部署もないし,指示命令する上司もいません。社員全員が自律的に考え,自主的に働く組織なのです。
上司がいないので,決裁はありません。だれでも経費は事前の承認なく使えて,休暇だって取り放題。評価制度さえなくて,基本的に給与は一律で,賞与は山分け。だから,売上目標やノルマといったものもありません。もちろん,残業や休日出勤などはほとんどありません。
それでも,創業以来ずっと増収し続けて成長してきました。5人で始めた会社が,7年で35人になって,多くのお客様に喜んでもらって支えてもらっています。
 その働き方と成果が評価されて,2018年には日本における「働きがいのある会社ランキング」(意識調査機関Great Place to Workが実施)の小規模部門で5位のベストカンパニーで入賞,「第3回ホワイト企業アワード」(日本次世代企業普及機構が選出)でもイクボス部門に入賞しました。
私は以前,3000人ほどの社員のいるシステム開発の会社で,管理職として働いていたことがあります。その規模の会社になると多くのルールがあり,そのルールを守らせることも管理職の仕事の1つでした。
本来システム開発は,お客様にとって新しい価値を生み出す提案や,高度な技術を駆使したプログラミングなど,とても創造的な仕事です。この仕事の特徴は,粛々とマニュアルに従って手を動かすというよりも,机に座っているときだけでなく,仕事以外の時間ふとしたときに閃いたり,同僚との雑談している中でアイデアが出たりすることです。
それなのに,「使ってもいいコンピュータはこれで,閲覧してもいいウェブサイトはこれだけ」「組織のだれかが決めたプロセスに従わなければいけない」「勤務時間や勤務場所は固定して,人事評価は組織で一律の基準に則ること」など,多くのルールを守らせなければなりません。人数が多いから仕方がないとはいえ,性悪説を前提としたルールで管理をすればするほど,独創性は失われ,社員たちのやる気は下がり,生産性は落ちていきます。ルールで縛れば縛るほど,自分たちで考えることを放棄するようになっていくのです。それは非常に残念なことでした。
そこで,今の会社の前身である社内ベンチャーを始めたとき,私は「なるべく管理をなくせないか?」と考えました。そして,実際に管理を減らしていけばいくほど,チーム全体の生産性は高まっていったのです。
信頼関係さえしっかりと築くことができれば,管理などしなくてもだれもが管理していたとき以上に責任感を持ってきちんと仕事に取り組むし,個々の主体性も増しました。指示されて働くよりも,自分ごとにして圧倒的に楽しく働いてくれるようになりました。そして,社員が自律的に楽しく働くだけで,お客様からの評判は高くなり,新規事業が勝手に生み出され,創業した私が想像した以上の成果を出すことになったのです。
また,上司が指示命令をしないことで,現場で判断してお客様のためになること,会社にとっていいことを自分で判断するようになり,スピード感は増して,高い生産性を出すことができるようにもなりました。そもそも判断の難しい現代の仕事において,コマンドコントロール型のマネジメントでは上司やマネージャーがボトルネックになっていたのです。
これは,なにもITの仕事に限った話ではありません。どんな仕事にも,創造性を発揮する余地はあります。仕事の進め方を工夫したり,お客様の満足度を高めたりすることは,働く人のモチベーションに大きく左右されます。そうしたとき,管理で縛るより自由に働くほうが高い生産性を発揮するのです。
このようにお話すると「管理もやめて自由にして,個人ごとに好きに働けばいいのだ」と思うかもしれませんが,いきなりそのようなことをしても,きっとうまくいきません。私たちも,長い期間かけてここまでに至ったのですが,取り組んできたことを振り返ってみると,大きく3つの段階があったように思います。
第1段階:生産的に働く(楽に成果をあげるために見直す)
第2段階:自律的に働く(人を支配しているものをなくす)
第3段階:独創的に働く(常識や慣習に従うことをやめる)
なにより最初に取り組んだのは,生産的に働くことです。仕事は,本人たちが楽しければいいというわけではなく,働いて価値を生み出すことが大前提にあります。まずは無駄な作業を見直し,要らない会議を減らし,仕事の進め方も継続的に改善し,生産性を高めて成果を出せるようになってはじめて次の段階に進めます。
次に,だれかに管理されなくても働くことを目指します。自分で仕事を考えて,まわりと協調しながら成果を出していくようになると,細々とした管理は不要になり,組織としての負担も軽減されます。本人も自分の意思で働くことで自由と責任を得て,より高い生産性と品質を実現できます。そうして自律的に働けるようになれば,働く場所や時間は自分で選択できるのはもちろんのこと,苦手なことや評価など心理的な負担からも自由になっていくことができます。組織にいながら,自由を手に入れることができるのです。
最後の段階は,自分たちだけの働き方を追求する段階です。ここまでくれば,業界の慣習や常識にとらわれることなく,独創的なビジネスモデルやマーケティングの手法を見つけ出すことのできる実力のついたチームになっています。他社にはない独創的な働き方を実現することが,自分たちにとっての強みにもなっていくことでしょう。
最終的には,仕事をしているのか遊んでいるのか,はたから見てもわからない状態になります。もちろん,成果を出すからこそ豊かに暮らしていくこともできます。そんなふうに仕事そのものが楽しくなれば,人生の100%を楽しむことができるのです。
組織として圧倒的な成果を出すことと,そこで働く個人が圧倒的に楽しく仕事をすること――その両立こそが,実現したい組織の姿です。それを夢や妄想で終わらせず,1つ1つ試行錯誤しながら実践したこと,その結果として実現できたこと,その過程で得た気づきや考えをまとめたのが本書になります。
「管理して働かせることに限界を感じている」
「社員たちを幸せにしたいけれどやり方がわからない」
こうした悩みを抱えている経営者やマネージャーの方はもちろん,
「今の働き方を続けていっていいんだろうか」
「人生100年の時代,この先どう働くと幸せだろう」
そんなことを考え始めたビジネスパーソンの方にも読んでもらいたいと思って書きました。
本書がきっかけになって,組織や経営のあり方を見直す会社が増えて,1人でも多くの人が仕事を楽しむようになる社会が実現することを願っています。

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