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ホームページの値段が「130万円」 と言われたんですが、これって相場でしょうか? ~ネットの価格はまだまだ下がる! 2020/02/08

竹内 謙礼
Amazon 紙の本 1,848円
技術評論社 PDF EPUB 1,680円

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ISBN:
9784297111076
ページ数:
288
カテゴリー:
出版日:
2020/02/08
出版社:
技術評論社

概要 (取得元)

「工務店のホームページは300万円なのに,マッサージ店は50万円」
「40万円かけて動画を制作したんだけど,売上につながらないんだよね」
「SEO業者に月額10万円払ってんだけど,何をやってるのかわからなくて」
「リスティング広告の手数料は20%が相場らしいけど,どうしてだろう」
「フリーランスの人が5万円でホームページを作るっていうんだけど大丈夫かな」
なんとなく見積りを受け取り,なんとなく支払ってしまうけれど,なぜその価格になるのか理解できてますか?
業界人でも意外と答えられないネットにまつわる値づけの正体を,楽天市場で2年連続ショップ・オブ・ザ・イヤーを受賞し数多くのコンサルティング実績を持つ著者が徹底解明。ホームページ制作会社や,SEO会社,リスティング広告運用会社,人材派遣会社,ネット業界の経営者,クラウドソーシングに携わる副業従事者,フリーランスの人まで幅広く取材したからこそわかった秘密を教えます。
こんな方におすすめ
Web担当者の方
経営者の方
Web制作会社の方
Webコンサルタントの方
著者から一言
「竹内さんのホームページって,正直言ってカッコ悪いですよね」
酒の席で10年来の友人に突然,そんなことを言われた。彼はホームページ制作会社の社長。私よりも年齢は10歳も若い。
「以前から言おうと思っていたんですよ。竹内さん,ネットビジネスのコンサルタントをしているのに,あのホームページはいくらなんでもダサすぎますよ」
彼の言うことはもっともだった。
私,竹内謙礼の公式ホームページはものすごくダサい。制作したのは15年以上も前になる。基本的なレイアウトやデザインはほとんど手を加えていない。更新がしやすいワードプレスで作られているわけでもなければ,今流行りの動画が挿入されているわけでもない。
「ネットビジネスの本もたくさん出していて,全国各地でセミナーもやっているコンサルタントなのに,あのホームページを見たらみんな残念な気持ちになりますよ」
酒が入っているせいか,彼の話はさらにヒートアップしていった。
「俺と竹内さんは友達じゃないですか! なんでひと言相談してくれないんですか! 竹内さんのためだったら,俺,友達価格でホームページ作りますよ」
友達価格……この言葉に一瞬,心がグラついた。彼は私の知っているホームページ制作会社の中でも,ずば抜けてデザインセンスがいい。しかも,友達価格で作ってくれると自ら申し出てくれたのである。
「本当にお願いしてもいいのか?」
「すべて俺に任せてください。だれが見ても恥ずかしくない,カッコいいホームページを作りますよ」
彼はニコリと笑った。
私自身も,ホームページのダサさは気になるところでもあった。
スマホ対応などの最低限のことは手を加えてきたが,ホームページに使っているイラストやキャッチコピーは昔のままだ。起業した当初とビジネスモデルも取引先も変わっているので,いつかはホームページをリニューアルしなくてはいけないと思いつつも,忙しさにかまけて今まで何も手を付けてこなかった。
だからなおさら,今回の知人からの男気ある申し出には,心震えるものがあった。彼のホームページのプロデュース能力の高さは,自分自身が保証してもいいぐらいのものだった。忙しい中,わざわざ私のために友達価格でホームページを作ってくれるのだから,この申し出を受けないほうがおかしな話である。
私は二つ返事で彼の申し出を受け入れた。そして,数日後,彼からホームページのリニューアル料金の見積りが届いた。
『合計130万円(税別)』
判断が難しい金額だった。
“友達価格”と言っていたので,正直,50万円ぐらいをイメージしていた。友達なのに130万円を提示してきたということは,もしかしたら,彼は私のことを友達とは思っていないのかもしれない。
見積りをもらってから,私は彼にどうやって返事をしようか悩んだ。
彼が提示してくれた友達価格に対して「高い」と言ってしまうのは,あまりにも失礼な話である。しかし,自分のホームページのリニューアルに130万円をかけても,仕事が増えるイメージが湧かない。どのように返事をすればいいのか悩んでいるところに,彼のほうから先に連絡が入った。
「ホームページのリニューアル,いつからやります? こっちはスタンバイOKですよ」
「いや,その件なんだけど」
「何か問題でも?」
「ちょっと,その……料金がね。130万円は高いかなぁと思って」
「……」
押し黙る友人。そして,数秒後に「わかりました」と力強い言葉が返ってきた。
「今回は特別に分割で対応しましょう!」
いや,分割を提案している時点で,もう友達じゃないだろ……。
結局,ホームページのリニューアルは丁重にお断りさせていただいた。彼には申し訳ないが,ホームページに130万円をかけることは「高い」という印象がどうしても拭いきれなかった。
しかし,これをきっかけに,私の中で新たな疑問が湧いてくるようになった。サラリーマン時代も含めて,この業界で20年以上も仕事をしているにも関わらず,いまだにホームページ制作費の「相場」がわからないだ。130万円を「高い」と言っておきながら,200万円,300万円のホームページの見積書はよく目にするし,大手企業だと1000万円以上の制作費をかけた話などざらに聞く。一方で,見栄えのいいホームページが50万円ぐらいで作られていたり,友達にお願いして10万円でホームページを作ってもらったりする話など,価格差で100倍以上も開きが出てきてしまうため,相場価格がまったくわからなくなってしまうところがあった。
相場がわからなくなるのはホームページだけではない。システム構築に500万円をかけたという話もあれば,50万円で同じ機能のシステムを作ってもらったという話もある。また,SEOの業者に月額50万円を支払っている会社もあれば,ホームページ制作会社からの請求書に毎月「SEO代 2万円」という名目が記載されて,口座から自動的に代金が引き落とされているケースもある。リスティング広告の運用代行費は広告費の20%で請け負うところもあれば,10%で請け負うところもある。「定価は?」「何が高くて,何が安いのか?」ネット業界の仕事は今ひとつわかりにくいところがある。
ほかの業界を見回しても,これだけ相場がわかりにくい仕事はないといってもいいだろう。たとえば,軽自動車の中古車なら,走行距離と年式でだいたい相場の察しがつく。牛丼の値段も,各社バラバラではあるが,おおむね300円~400円とやはり相場は一般の人にも認識されている。弁護士への初回の相談料も,5000円~3万円と開きはあるものの,そこは実力と人気の差だということが理解もできるので,納得もいく。銀座のキャバクラで遊べば10万円かかるかもしれないが,赤羽のキャバクラで遊べば2万円ぐらいで収まるというのも,なんとなくイメージできる。
しかし,ホームページは料金が高くなったり,安くなったりする理由がわからない。制作会社の実力でホームページの料金が跳ね上がるのかもしれないが,そもそもの“実力”がわかりにくい。価格が跳ね上がった理由と,跳ね上がった分だけのリターンがわかりにくいのである。
また,東京の会社に頼めば500万円かかるホームページ制作費も,地方のホームページ制作会社に頼めば100万円で収まることもある。同じような仕上がりであれば,東京で頼もうが地方で頼もうが大きな違いはない。「地方と都会の人件費の差だよ」と言われても,物価の差で5倍もかけ離れてはいないのが現状である。「東京のホームページ制作会社はぼったくっている」と言われても致し方ない。
本書では,今までなんとなく見積りを受け取り,なんとなく支払ってきたネットに関わるお金の話について,「なぜ,そのくらいの価格になるのか?」という理由や要因をわかりやすく解説していく。ホームページの制作費だけではなく,SEOやリスティング広告の運用費,ほかにもネット業界の正社員やアルバイトの給与まで切り込んで,ネットの“適正価格”を暴いていく。
調査には,私の仕事上の経験だけではなく,ホームページ制作会社やSEO会社,リスティング広告運用会社のほか,人材派遣会社やネット業界の経営者など,さまざまな人にヒアリングをおこなった。また,クラウドソーシングに携わる副業従事者やフリーランスの人まで幅広く話を聞かせていただき,その人たちの語る“相場”を比較しながら,「業界としては,このあたりが相場になるのではないか」という料金を導き出してみた。
もちろん,調査が局地的になってしまうために,本書を読む人にとったら「高い」「安い」と意見が分かれるかもしれない。しかし,本書をきっかけにネット業界の相場を冷静に判断できるようになれば,コストや戦略を見直す際に役立つ材料になるのではないだろうか。そのような狙いもあって,本書は初心者の方にも理解を深めてもらうために,専門用語をできるだけ削り取った文章になっていることは,一読される前にご理解いただきたいところでもある。
はたして,私の知人が出したホームページのリニューアル料金「130万円」は,本当に友達価格だったのか? それとも,友達だと思っているのは自分だけで,高い料金なのだろうか? その答えは本書の最後に書かせてもらっているので,ぜひ「おわりに」までじっくり読んでもらいたい。

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